フランス語も英語と同じように、冠詞があるよ。
まずは英語の不定冠詞「a (an)」に当たる「un, une, des」、それから英語の定冠詞「The」に当たる「le, la, les」を紹介するね!
最後に、英語にはないフランス語独特の「部分冠詞」について説明するね!
フランス語の不定冠詞(un, une, des)
不定冠詞は英語のa, anにあたる語で、「これだ!」と特定できない、初めて話題に上るものに付けられます。
例えば、昔話の冒頭の「昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。」の「おじいさん」や「おばあさん」は、この物語で初めて登場するので、もし英訳や仏訳をしたら、不定冠詞が使われるよ!
フランス語の冠詞は、基本的に3種類あります。
「男性名詞」、「女性名詞」、「男性、女性名詞の複数」といった、その名詞の持つ属性によって使われる冠詞が異なります。
男性名詞単数の場合は「un」が使われます。「croissant」は男性名詞なので、「ある一つのクロワッサン」と言いたいときは、「un croissant」になります。
例)
un café(コーヒー)
un livre(本)
un sac(かばん)
un homme(人、男性)
un garçon(少年)
女性名詞単数の不定冠詞は、「une」。「baguette」は女性名詞だから、「ある一本のバゲット」と言いたいときには、「une baguette」になります。
例)
une table(テーブル)
une chaise(椅子)
une montre(時計)
une femme(女性)
une fille(少女)
複数を表す不定冠詞「des」は、男性名詞・女性名詞どちらにも使います。「bonbon」は「キャンディ」という意味で、「数個のキャンディ」と言いたいときは「des bonbons」になります。
例)
des livres(何冊かの本)
des tables(いくつかのテーブル)
des hommes(何人かの男性)
des femmes(何人かの女性)
複数形の場合は英語と同様、名詞の最後に「s」を付けます。
ただし、例外もあります。「al」や「eu」、「au」「eau」で終わる言葉は、最後に「s」ではなく「x」が付く場合が多いのです。
以下、複数形の最後がxになる言葉の例をまとめたよ!
余裕があれば覚えておこう。
【alで終わる言葉:複数形になると最後がalからauxになる】
- un animal(動物) → des animaux
- un cheval(馬) → des chevaux
【eu, au, eauで終わる言葉:語末にxをつける】
- un cheveu(髪)→ des cheveux
- un bateau(船)→ des bateaux
- un oiseau(鳥)→ des oiseaux
- un château(城)→ des châteaux
- un noyau(種、中核)→ des noyaux
【番外編:s, x, zで終わる言葉は、単数形と同形】
- un bois(木、林)→ des bois
- une voix(声)→ des voix
- un nez(鼻)→ des nez
フランス語の定冠詞(le, la, les)
定冠詞は英語のtheにあたる語で、「この〜」「その〜」と特定できる、既に話題にのぼっているものに対して使います。
定冠詞は、例えば「マリーのお母さん」のように「マリーの」と限定される場合や、「月」や「太陽」、「エッフェル塔」とか、世界に一つしかないものに対して使われるよ。
フランス語の定冠詞は、不定冠詞と同様、基本的に「男性単数」「女性単数」「男性、女性名詞の複数」の三種類あります。
男性名詞単数のときは、「le」が使われます。「livre」は男性名詞ですから、「その本」と言いたいときには「le livre」となります。
女性名詞単数のとき、「la」を使います。「voiture」は女性名詞なので、「その車」と言う場合は「la voiture」です。
男性名詞にせよ女性名詞にせよ、いずれの場合も母音で始まる言葉の場合は、「le」は「l’」の形になります。
複数形の場合は、あらゆる名詞に「les」を付けます。よって、「それらの本」は「les livres」、「それらの車」は「les voitures」となります。
母音から始まる言葉であっても、複数の場合は「les」一択だよ!
ちなみに、「les(レ)」+「母音から始まる語」の場合は、lesのsと最初の母音の音が合わさって音が濁るんだ。例えば、「鳥」って意味の「oaseau(オアゾ)」は、lesと組み合わさると「les oiseaux(レ・ゾワゾ)」っていう発音になるよ。これをリエゾンって呼ぶんだけど、もし余裕があったら頭に入れておいてね。
部分冠詞(du, de la, de l’)
部分冠詞はフランス語特有のもので、液体や食べ物、材料、お金、抽象的な名詞など、数えられないとされる名詞に付いて、そのいくつかの量を示します。
男性名詞には「du」が付きます。例えば、「poisson」は男性名詞なので、切り身など魚の一部分を示す場合には「du poisson」となります。
ちなみに、不定冠詞のunが付いた「un poisson(アン・ポワソン)」だと、「一匹の魚」という意味になるよ!
女性名詞に付く部分冠詞は、「de la」です。肉を意味する女性名詞の「viande」に部分冠詞が付くと「de la viande」となります。
男性名詞・女性名詞いずれの場合も母音から始まる(または発音しないhから始まる)場合に使われる部分冠詞は、「de l’」です。例えば、「水」を表す「eau」は「de l’eau」となります。
液体には部分冠詞を使うと言ったけど、お店で注文するときには「un vin(ワイン一つ)」、「une bière(ビール一つ)」のように、不定冠詞を付けて数えられるものとして扱うよ!