フランス語の指示代名詞は「これ、それ、あれ」という意味を表す言葉ですが、大きく分けると「性数による変化のないもの」と、「性数の変化があるもの」の2種類があります。

以下で、それぞれについて詳しく見ていこう!
1) 性数による変化のないもの
ceci(スシ), cela(スラ), ça(サ)
- ceci:これ(話者に近いものを指す)
- cela : それ、あれ(話者に遠いものを指す)
- ça : これ、それ、あれ(会話で使うカジュアルな表現)
「ceci, cela, ça」は、直接ものごとを指す場合に使います。
例文)
Ceci est plus cher que cela. これはあれより高い。
Prenez ça, s’il vous plaît. それを取ってください。
さらに、celaとçaは前出した文の内容を指したり、その場の状況を指したりします。
例文)
A : Est-ce que demain à dix heures vous convient ?
B : Oui, cela me convient.
Ça va marcher. うまくいくはずだ。
ce(ス) (c’)
ce は、être の主語としてのみ使われる指示代名詞です。
単数の名詞が後ろに置かれる場合は「c’est(セ)」、複数の名詞が後続する場合には「ce sont(ス・ソン)」が使われます。
c’est・ce sont の後ろに置かれる名詞には、必ず冠詞が付きます。
例文)
C’est un livre français. これはフランスの本だ。
Ce sont des étudiants japonais. この人たちは日本人の学生だ。
また、「c’est +(形容詞)」という構文で、個人的な感想を述べることができます。
例文)
C’est super. すごい、素晴らしい。
C’est très bon. (これは)おいしい。

c’estについてもっと知りたい場合は、「これ(それ)は~です(C’est …)」の記事を見てね!
2) 性数の変化があるもの
celui(スリュイ), ceux(スー), celle(セル), celles(セル)
指示する名詞の性数によって、以下のように使い分けます。
- 男性単数:celui
- 男性複数 : ceux
- 女性単数 : celle
- 女性複数 : celles
これらの指示代名詞の使い方は主に2つあります。
まず、前出した名詞をこれらの代名詞に言い換える、繰り返しを避けるための用法があります。
例文)
Ma voiture est plus grande que celle de mon frère. 私の車は兄(弟)のそれ(車)より大きい。
Il y a le dessin de Léon et celui de Julie. レオンの絵とジュリーのそれ(絵)がある。

ちなみに、話し手の近くにあるものには-ci(シ)、遠くにあるものには-là(ラ)を付けて距離感を表すこともできるよ!
例文)
celui-ci(これ)
celui-là(それ、あれ)
Voici deux sacs. Celui-ci est japonais et celui-là est italien. かばんが二つある。これは日本ので、あれはイタリアのだ。
さらに、「celui, celle, ceux, celles + (qui, queなどの関係代名詞)」という構文で、「~する人」といったように、ある属性・特徴の「人」を表します。
例文)
Ceux qui aiment les animaux sont gentilles. 動物が好きな人は優しい。
J’aime ceux qui sont polis. 私は礼儀正しい人が好きだ。