コロナ禍が始まった当初、海外でアジア人差別が問題になったことも、記憶に新しいですね。
今回は、10年間フランスで暮らした経験のある私が、差別について実際に感じたことを紹介していきたいと思います。

今回は、ちょっと真面目なお話だよ。
コロナ関連の差別は受けなかった
実際に暮らして感じたのは、「思ったよりも差別はされないな」ということでした。私は2021年の中頃までフランスにいましたが、コロナに関する差別を受けることはありませんでした。
例えば、地下鉄や電車などでも、アジア系の私の隣に、特に気にせず座ってきた人が多くいました。
街を歩いていても、特に嫌なことを言われたことはありませんでした。
「新型コロナのせいでアジア系が海外で差別されている」というニュースを見た家族は心配していたようですが、これに関しては大丈夫でした。

あと、若い世代は外国人に慣れていたり、アジア文化に憧れがある人も多かったりするせいか、彼らに差別されたことはなかったな。
フランスで差別を受けた経験
とはいえ、フランスにアジア人差別がまったくないかというと、そうとも言い切れません。
10年間でおそらく3、4回くらい、「これは差別だな」という経験をしました。

差別された経験はそんなに多くないけど、1回でもされるとやっぱり嫌だよね。
一番ショックだったのは、確か2017年くらいだったと記憶していますが、パリの14区の地下鉄の出口で知らない中年男性に「○○人め!(○○には日本以外のアジアの国名が入ります)」と罵られたことです。
私はその男性に対して何も悪いことをしていないのに、いきなりアジア人というだけで罵倒されたのがとても悲しかったです。ただただびっくりして、何も言えませんでした。
フランスでは、移民の数が大変多く、移民のことを快く思っていないフランス人もたくさんいるということを知っていましたが、そのことを生々しく実感しました。
フランスで最も差別されやすい移民について
とはいえ、フランスで最も差別されやすいのは、アジア系よりもイスラム教徒の人たちのようです。イスラム系の移民の人と話した時、苦労話を色々と聞かされました。
「アジア系は働き者で順応性も高いから、フランスで受け入れられていると思う」と、フランス人の友人も言っていました。
イスラム系の人たちは独自の文化やルールを他国でも守るので、フランス社会との衝突が生まれやすいようです。

イスラム系の知人も何人かいたけど、いい人も多かったけどね。
ラマダン(期間限定の断食)のような行事は、大変そうだなって思ったけど。
おまけ : ヨーロッパで最も差別が少ない国
これは、アフリカ系に見えるフランス人の知人が言っていたことなのですが、ポルトガルでは唯一、差別を受けなかったそうです。彼女はヨーロッパ中を旅行して、そのことに気がついたそうです。
私自身はポルトガルに行ったことはないのですが、日本人やフランス人の知人もポルトガルを絶賛していました。とにかく皆、親切にしてくれるそうです。
日本ではポルトガルは、フランスほど人気のある国ではありませんが、人も優しいし、食べ物もおいしいので、意外と穴場かもしれません。

フランスだと、パリよりも地方の方が親切な人が多かったかも。