ここでは、フランス滞在歴10年の私が覗き見た、リアルなフランスの家庭料理をご紹介したいと思います。
予想外にシンプルで驚いた!
日本では、「フランス料理」というと贅を凝らした料理を思い浮かべがちですが、そういった豪華な料理を出すのはレストランぐらいで、家庭料理は思いのほか質素でした。

むしろ、日本の実家で普段食べる家庭料理の方が豪華だったかも。
火を使わないことも多い
フランスでは、「毎食ごとに火を使って食事を準備する」というのは必ずしも一般的ではないようでした。
「朝食はパンと果物だけ、昼はサンドウィッチで、夜になって初めてコンロを使う」という家庭も少なくない印象を受けました。
夕食も「パンとハムとサラダ」のように、火を使わないで準備できるものを食べている人もいるようです。
冷凍食品をフル活用している
フランスでは共働きの世帯が多いためか、冷凍食品を利用する人たちが本当に多いという印象です。
数年前に日本にも上陸した、冷凍食品専門店の「Picard(ピカール)」は、フランスの町のあちこちにあります。

こちらは代官山の店舗。

「ピカール」の店内には冷凍庫がずらりと並んでいて、お客は欲しい商品を冷凍庫から取り出して買うんだ。日本では、東京の麻布とか代官山とか、高級なエリアにしか店舗がないみたいだけど、フランスでは庶民に親しまれている店だよ。
パン、パスタ、ピザ、肉や魚などのおかず系、デザート、とにかく何でもあるので、私も大量に買い込んで、家の冷蔵庫にストックしていました。特にピザとケーキ系がおいしいと思いました。
素材の味を生かして味つけは薄め
フランス人のご家庭に招待されて家庭料理を食べた時、味の薄さに驚きました。
スープなども野菜を煮込んで塩を軽く振っただけの、かなりシンプルな味付けでした。
でも、慣れると素朴な味わいの中に野菜の甘みや香りが感じられて、「これはこれでいいな」と思うようになりました。
おいしくて感動したフランスの家庭料理

以下では、筆者が食べておいしかったフランスの家庭料理をランキング形式で紹介するよ!
1位 トマトのタルト

市販のタルト生地に、ディジョン・マスタード、バターで炒めたタマネギ、そしてスライスしたトマトをのせてオーブンで焼いただけのシンプルな料理でしたが、これが本当に美味しかった!特に焼きたては最高です。
日本に帰国してからは、オーブンがないので作れないのがちょっと残念。
2位 ライスサラダ

タイ米のような粘り気のない細長いお米を、オリーブオイル、ビネガー、乾燥パセリで味付けして、小さくカットしたキュウリ、トマト、コーン、インゲン豆、オリーブの実、スモークサーモンなどを混ぜ込んだ、フランス版「ちらし寿司」のような一品。
とてもさっぱりしているので、夏場など食欲があまりない時でも食べられてしまいます。
日本米で作ったことはないのですが、粘り気のないお米のほうが美味しいような気がします。
3位 トマトファルシー

中身をくり抜いたトマトに、牛ひき肉を詰めてオーブンで焼いた料理。
フランスの友人は、ひき肉だけではなくお米も混ぜて中に詰めるレシピを教えてくれましたが、これが本当に美味しかった!ご飯に、トマトの酸味とひき肉の脂がとっても合います。
結論:フランス人は、普段はシンプルな食生活を送っている
フランスの人たちは、毎日豪華な料理を食べているわけではないということです。
それでも色々と工夫して、「質素だけど美味しい」食生活を楽しんでいるようです。

日本でも、我々が毎日寿司や鰻やすき焼きを食べるわけではないのと同じかもね。